Elegoo Mars Proの電源を入れて一週間が経過しました。
テストプリントから今まで作ってきたデータ類を色々と出力して設定出しと
Mars Pro自体の性能評価を行っていたんですが、洗浄工程で迷いが。。
水洗いレジンは「水で洗えば大丈夫」とよく言われますが、どのくらい
出力品に対してストレスをかけていいのか・・・よくわかりません。
未硬化のレジンは水に付ければさっと流れ落ちるのか?
ハケでレジンを落とす必要があるのか?
超音波洗浄は必須?
洗剤で洗った方がいい?
ネットで検索しましたが明確に記載されている情報を
見つけることが出来ませんでした。
たぶん私の探し方が悪いのかもしれませんが。。
色々試した中でわかったのは、洗浄が中途半端だと
二次硬化時に表面が白濁化したり、残ったレジンで
表面が荒れたりして取り返しが付かなくなるため、
可能な限り丁寧に洗浄工程を行う必要があるということです。
前置きは長くなりましたが、現時点でのベストな洗浄法を
今から紹介していきます。
※ここで使用しているレジンはSK本舗さんから発売されている
SK水洗いレジン(灰色)を使用したものです。異なるレジンでは
洗浄方法や洗浄回数が変わるかもしれません。①ビルドプレートから出力品を取り出す
予め出力品についている未硬化レジンは滴を切ってタンクに返しておきます。
その後ビルドプレートから出力品を回収します。
毎回1回はスクレーパーで外す際に飛ばしてしまうので
上手く回収できるようになりたい。。
②水と洗剤水で一度目の洗浄
この洗い工程で余分なレジンを大部分洗い流します。
サポートをピンセットで保持して、水に漬けながら筆で全体を
優しく洗浄します。未硬化のレジンが水に溶けていったり、
固形となって落ちていくのが見えるはずです。
同様の洗浄を今度は洗剤入りの水に漬けながら再度行います。
洗剤は台所用の液体洗剤で問題ありません。
私は工程ごとに水を入れ替えていますが、この工程では最初の洗浄で
使った水に洗剤を入れても問題はないと思います。
③超音波洗浄機による二度目の洗浄&仕上げ洗い
次は超音波洗浄機を使って細部に溜まったレジンを洗い流していきます。
超音波洗浄機はメガネを洗うような一般品で十分です。
直接突っ込んでも良いのですが、たまにメガネも洗いたい(笑)ので、
私はポリビーカーに入れています。
ちなみにポリビーカー内の水は新規に入れ直した洗剤水です。

超音波洗浄機のスイッチを押すとレジンが漏れ出してきたのが
目に見えてわかります。
色んなところから漏れ出してきて結構ビックリしますね・・・。
洗浄時間は大体240秒くらいを目安に行っています。
洗浄途中で出力品の向きを変えたりして万遍なく洗浄できるように
ビーカー内で動かしながら様子を見ます。

最後に水で洗剤水を綺麗に洗い流します。
ここは私の好みで超音波洗浄しながらハケ洗いしていますが、
普通に水洗いしても良いと思います。
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超音波洗浄機で行った洗浄結果からハケ洗いを複数回繰り返しても
残ってしまうところは必ずあると思っていて、安定した洗浄を行うには
超音波洗浄機の導入は必須かなと思います。
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二次硬化のタイミングは何時が良いか洗浄工程が終われば次は二次硬化です。
この工程により出力品の表面硬度が安定します。
ここでは
UVLEDボックスを利用した二次硬化を行います。
太陽光にしろUVLEDにしろ、どのタイミングで二次硬化を行うべきかは
悩むところで、大抵は自然乾燥後(半日~1日程度)に実施するのが
一般的だと思います。
ただ、私の行った限りでは自然乾燥後の二次硬化ではどうしても表面に
ひっかき傷が残るような柔らかい層が若干残ってしまいます。
二次硬化時間が足りない可能性もありますが、20分照射しても結果は
変わらずなので時間の問題ではないような気がします。
(洗浄工程を念入りに行っても結果は変わらずでした)
そこで知り合いの原型師さんからアドバイスをいただいたのが
水中で二次硬化を行う方法です。

ポリビーカーに水を入れて出力品を浸漬させます。
(これがやりたくてポリビーカーが入るUVLEDボックスを作りました・・・!)
結果から言うと、
洗浄直後にこの方法で二次硬化を行うと
非常に良好な結果が得られました。
自然乾燥後の出力品で水中の二次硬化を行ってもイマイチな
感じだったので実施のタイミングが非常に大切です。
自作のUVLEDボックスでの二次硬化時間は大体2~3分程度です。
この辺は環境によるので各自データ取りする必要がありますね。
ちなみに洗浄工程①~③と二次硬化作業を私は
30分以内に実施しています。
出力品が水に触れる時間を極力短くしたいのがその理由です。
まとまった時間が取れない場合は洗浄せずにビルドプレートに付けたままで
プリンター内で保管しておきましょう。
(なるべく早く洗浄してあげるのが理想的ですが)

二次硬化が完了した出力品です。
エアブローなどで水切りをしてあげて、半日~一日程度は自然乾燥を行います。
この洗浄工程を行った出力品は表面処理がし易そうな
カリッカリの表面に仕上がってくれます。
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最後に今回の3Dプリンタ導入で水洗いレジンの便利さを痛感しています。
こんな素晴らしいレジンを世に出てくれてありがとうって言いたいくらい。
普通の出力用レジンはIPAによる洗浄を行いますが、水洗いレジンの洗浄と
に同様綺麗なIPAを常に使わないと綺麗な洗浄が出来なかったと記憶してます。
その辺のコストを気にせずに水で洗えるというのは思っていた以上に作業の
敷居を下げてくれますね。今後も不具合が出ない限りは水洗いレジンを使って
行こうと思っています。